第5巻「ぼくたちの、とまどい。」感想:千葉"さん"が高槻"くん"に、真穂"ちゃん"がよしの"ちゃん"に嫉妬する理由
20:00pm 大幅に加筆訂正しました。
今更ながら放浪息子(5) (BEAM COMIX)の感想ですよー。実はこの他に長めの記事(マジメ系)を書いているのですが、途中で詰まってしまったので先にこっちをアップすることにしました。
以下、コミックスのネタバレ注意です。(ビームは読んでいないので、本誌進行分のネタバレはありません)
千葉"さん"が高槻"くん"に嫉妬する理由
逆に問いたい。
「千葉さんは男の子の二鳥くんがすきなの?それとも、女の子の二鳥さんがすきなの?」
と。
おそらく千葉さんは、自分がシュウちゃんに向けた問いの答えが後者*2であることを分かっているのだと思います。千葉さんの「問い」の真意を考えると、こういう感じになると思います。
これまでのお話を振り返る限り、千葉さんは自分の事を「女の子」だと思っており、行動なども「女の子」の性役割の方に傾いている方が"自然"だと感じているのだと思います。だからこそ、すきになった女の子(シュウちゃん)の心を奪ってゆく高槻くんが、「女の子」の自分と違う「男の子」である*4ことに怒りを覚えるのでしょう。
そして逆に、高槻くんが千葉さんに怒りを覚える理由もここにあります。
(千葉)
私……なんで ここに来たのかしら
高槻さんの顔なんて みたくなかったのに
高槻さんがきらい 大きらい…
ずるい…
〔……〕
(高槻)
ふざけんな いつも自分ばっかかわいそうみたいなことゆって……
前もそうだった 私のこと悪者扱いした
私だって あんたなんか大っきらいだ……*5
千葉さんは高槻くんが「男の子」であることを羨ましがるあまりに、高槻くんがとてつもない苦労――例えば自分の服装のこと、生理のこと、二鳥くんを守ろうと"女装"してきたこと*6――を抱えていることを完全に無視してしまっています*7。これ、怒るの当然ですよね。
それでも、千葉さんが上級生にリンチされないように「いっしょに帰ろう」と声をかけた高槻くん。
やばい。かっこいいです。マジ惚れる…。
真穂"ちゃん"がよしの"ちゃん"に嫉妬する理由
えーと。ここで言うよしの"ちゃん"は=シュウ"ちゃん"のことです。たぶん説明はいらないと思うのですが、一応念のため。
これまでの話を振り返ってみると、瀬谷が真穂を選んだ……というか瀬谷がシュウのことをあきらめた理由は「シュウちゃんが男の子だから」だけのものでした(この辺の事情はこのあたりで熱く語っております。3巻のあたりで瀬谷×シュウをプッシュしていた貴方にこそ読んでいただきたい)。それ以外の理由では、真穂は何一つとしてシュウの魅力に勝てていない(と少なくとも真穂本人は思っている)のですね。だから真穂は、精一杯のあがきとして、シュウが同性であることを否定しているのだと思います。
まぁ実際、瀬谷もシュウの裸を見て(想像して?<笑)赤くなっていますしね*8。
あーでもホント、瀬谷と二鳥姉妹の関係はどうなるんでしょ。個人的には妹の方に傾き直していただきたいのですが。とりあえず瀬谷と税所あたりで取り合い→ぼくのために争わないで!な展開を希望します。