第76条「霊沸浄化」・第77条「パンジー」感想(ジャビン30・31号収録)追々記:あなたは、桜井の両親を責めることが出来ますか
はてなグラフで魔法律の本誌掲載順のグラフを作ってみたんですけど、分かりにくかったので改めて作ってみました。
こうやってまとめてみると、ムヒョロジは意外とバトルパートの方がアンケート受けしているんですね*1。一級書記官試験編、魔監獄編、顔剥ぎ編、禁魔法律家編(の8週後)はかなり掲載順が若いのに、初期やドナドナ編、夜の蝶編はかなり低いです。そういえば京子もユウタも人気投票にランクインすらされていなかったからなぁ……orz
掲載順についての考察はこの辺で。よろしければ、どなかたグラフ使ってあげてください。
というわけで、この先本編のネタバレはいりマース。
あなたは、桜井の両親を責めることが出来ますか
パンジャの両親に対して、けっこう批判が集まっているようです。
Dステップ。 : ジャンプ06年31号感想
幽霊が見えるということで家を追い出されたパンジャ。
お父さん滅茶苦茶です。この世界では、霊を見ることが出来るのがそれほど禁忌なのでしょうか。
「帰ってくるな」はひどい。
こういう親に育てられる子供はかわいそうですね。
パンジャの直情径行な性格も、このようなゆがんだ家庭内事情によって形成されたのかもしれません。
親の責任って重大。
WJ31号感想 | 子供の寝てる間に
パンジャの過去は母親としてちょっと感情移入しにくいけど。
いや、なんといっても子供は「かすがい」だよ。
夫婦二人きりになりたい気持ちとかもわかるけど
長い間ともに暮らすと、ズレが生じることだってある。
子供はそんな時、潤滑油になりうる存在だよ。
家族生活に潤いを与えてくれる存在だよ。
虐待しなかっただけマシなのか、とちょっと思った自分が悲しい。
(心の虐待はしているけどね)
が、なんか的外れな気がします。両親が桜井の霊感を躍起になって否定したり、家から追い出したりしたことの根本的な原因は、桜井の霊感そのものではなく、霊感を持つ人間を忌み嫌う人間関係や風潮にあると思うんですけど。
もっと分かりやすく言うと、「普通や常識(自分にとっての)とは違う奴は許せない」という、あまりにも低俗で幼稚な脳内妄想を「他人」にぶつける奴にある、ということです。
「普通や常識(自分にとっての)とは違う奴は許せない」という妄想から起こされる暴力や差別は、当人だけでなく周囲の人間――特に両親――にも向けられます。両親に向けられる場合には「子どもがあんなふうになったのは親が悪い」という言葉が使われます。「育て方が悪い」「愛情が足りない」にはじまり、果ては「産み方が悪かった」などという言葉を使って(主に、学校関係者や親類などの交流を避けては通れない人などが)罵倒するのです。
これは虐待の問題も含めてなんですが。例えば扶養者が孤立してしまう問題だとか、精神的・社会的・経済的に追い込まれてしまう状況があることを無視して、「親」にだけ責任を求めるのはおかしいです。結局「親」のモデルに沿わない人*2を余計に追い込むだけで、何の問題解決にもならないのではないでしょうか。
子どもの面倒は何でもかんでも「その子の親*3」がみなくちゃいけない、という風潮を前提にして議論しているのがそもそも可笑しくないですか?桜井みたいな人に「普通」を求めているのは、他ならぬ私たちなのにー。