第33条「賭け」・第34条「対峙」感想(コミックス5巻収録):私の中にある「みんな」、あなたの中にある「みんな」

コミックスの感想を少しづつやっていくことにしました。できればブックマークもやってみたいのですが、間違いなく希望だけで終わりそうです(苦笑)
牧波さんは今年の06・07号からの展開をジャビンで読んでいますが、本誌進行分のネタバレが入らないように注意して記述いたします(ただし、それでもネタバレを ちゃっかり うっかりと含んでしまった場合はごめんなさい)。
本誌進行分のネタバレを含めた感想は、別にエントリを立てて行うつもりでいます。


今週号分のこんぶブックマークは土日でまとめてやるつもりでいます……ヒィ!


六氷執行人と火向裁判官との上下関係

ヨイチのセリフから考えると、ムヒョとヨイチとの関係は「執行人」と「裁判官」の関係っぽいですよね。ビコやロージーはムヒョにタメ口なのに。
もしかしてムヒョ>リオ=ビコ>ロージー>>>>>>>(越えられない壁)>>>>>>>>>ヨイチなの?ヨイチってそんなに軽いの?(笑)
という冗談はさて置き。ヨイチが仕事(?)中に敬語を使っているのに、なんでロージーは普段からタメ口なんでしょう?能力や知識の差には相当開きがあるのに、上司と部下、という感じが全然しないですよねー。本当に「相棒*1」って感じで。


ムヒョが死んだりしたら 僕――

人体にとって毒でもある煉根湯をくぴっと飲んでぷうっと復活(?)したムヒョを、心配した乙女の叫び。途中でさえぎられてしまいましたが、なんと云うつもりだったのでしょうか?
正直な話、もしムヒョが死んだら、ロージーは壊れると思います。どんな場合でも、絶対に自分自身のせいにしそうな人なので。


第一回、元カノvs今カノガチンコクラブ開催!

……と思ったら円さん(元カノ)、完璧に草野をスルーしてます。アウトオブ眼中だよ!どんだけ余裕なんですか円さん!
もしかしてあれですか、恋人だと思っているのは草野だけで、実は六氷(ヒモ)にとっての草野はただ利用するだけの相手で、実は円とちょくちょく会って「あんなやつ愛しちゃいねぇヨ、本当に愛してんのは……」なんて言っているとでも!?ヒィー――――――――(落ち着け)


我孫子の怒りと

我孫子の「憎しみ」の表情が描かれたのは今回が初めてですね。
第23条「いかれ庭師」の時もそうでしたが、我孫子が怒りを顕にするのは黒鳥が絡んだときだけ。特に34条の表情は、前回までの我孫子の表情とは全く異なるものでした。
我孫子にとっての黒鳥の存在がどれだけ大きいのか。牧波さんのような読解力の無い人間がちゃんと読み取れるのも、西先生が魔監獄編を通して、すごく丁寧に「黒鳥の我孫子への想い」と「我孫子の黒鳥への想い」とを描写してくれたからだと思います。


黒鳥の選択と

それでも黒鳥が選んだのは、我孫子ではなく禁魔法律でした。結局理由は明らかにされませんでしたので、勝手にいくつか考えてみたいと思います。

  • もう禁魔法律家から戻れないよ派
    • 禁魔法律の契約が解消できるなんて信じられないよ派
    • 自分が抜けたら、円やティキはきっと安孫子たちに危害を加えるよ派
  • 自分には禁魔法律が必要だよ派
    • まだ殺さなければならない魔法律家がいるよ派
    • ていうか魔法律協会を潰すつもりだよ派*2
    • 実は禁魔法律には期待していることがあるよ派

牧波さん的には、一番最後だと思っています。そういえば、黒鳥が何を目的に円の仲間になったのかも明かされてませんよね(原因は明かされましたけれど)。


「確かに協会はヘドみてェなやつらがあふれてやがる…! でも全てじゃねェ」

リリー・エレナや大河内なんちゃらみたいな人間がいるのは、魔法律協会だけではないですよね。人間は醜い生き物だから。もちろん私や、この文章を読んでいるあなただって、例外ではありませんが。
西先生は「みんな」の描写がすごい現実的だと思います。「金の未来杯*3」や「リエとタエコ」で登場した「みんな」の描写は妙にリアルですよね。
ただリアルすぎるせいか、逆に自分の中にある「みんな」に気づかない人は、この描写には気づかないと思います。「みんな」は楽ですし、自分を守ってくれるものだから、否定するのは難しいですよね。おおっと話がずれた(笑)


遠隔操作で、魔監獄の扉に貼られていたフダを剥がす円

今コミックスを持っていないので曖昧なのですが、以前ちょっとタイムテーブルに関する考察を書こうとしていたので。
第21条「上陸」を確認すると、今井裁判官と藤原裁判官補佐が魔監獄見回りをしたとき(2日前)には、赤目の扉にフダがちゃんと貼ってあることがわかります。
つまり2日前の段階では、フダを剥がされている扉はソフィーの所だけだったわけです。少なくとも、今井裁判官が地階から脱出するまでに、フダが剥がされていた扉は無かった、ということが確認できます。
しかし、六氷たちが魔監獄に潜入した際には、他の扉までもが開いていました。
上記の経過を踏まえると、黒鳥の

アナタのフダを剥がしたのは 私よ
ちょうどムヒョの煉が無くなる位の霊を解き放ったの…*4

というセリフの信憑性が薄れてきます。単純に考えるならば、黒鳥は百目のフダを剥がすことを目的に、わざわざソフィーが潜む魔監獄へ(六氷が到着するより先に、こっそりと)潜入したことになります。牧波さんはちょっと信じられませんでした。
それを脳内補完するために、4巻の時点で考えた説は以下のとおりです。

  1. 黒鳥は2日前の以前に魔監獄に潜入していた
  2. 黒鳥は「赤目」「レインドッグ」「いかれ庭師」「ソフィー」のフダを剥がした
  3. その代わりに、効果の薄いフダを貼った
  4. 2日前に「ソフィー」のフダが効果を失って消えた事をきっかけに、他のフダも次々と剥がれ始めた

こんな感じです。これなら一応筋が通っているかな、と。
でもきっと、フダを剥がしたのは円ですね。まさかあんなにひょいひょいと剥がれるとは思っていませんでした(笑)

*1:第13条「誇り」

*2:「ムヒョを置いていけばオマエ達の事は助けてあげる…!!」(第31条「決意」)のセリフがあることから、この線は薄い?

*3:コミックス1巻の巻末に収録

*4:第30条「霧雨」