映画ブレイブ・ストーリーの感想 - オトナの階段をのぼって

原作も漫画も(姫川明版も)も読んでいない牧波さん(父親×ミツル)の感想です。
天才テレビくん時代から知っているウエンツ瑛士さんの声に関してはスルーの方向で。
以下、ネタばれ注意。


映画ブレイブ・ストーリーのあらすじを一言で表してしまえば、
「ワタル*1の恋愛対象が、父親からミツル*2へと移ってゆく経緯」
なのだと思います。まだ少女漫画にはなってない、一歩手前の段階を描いた作品なのではないかと。


別に恋愛感情ではなくて、「心の支え」とか「大切に思う人」とかでもいいのですけれど。
一応、映画のコンセプトが

どちらかといえばこの作品*3は二人のキャラクターの友情???というよりはLOVEです。
これははじめのスタッフ顔合わせの打ち合わせの中で、フジTVの小岩井さんが「これは、ワタルの片思いのお話です」と言われた事を基盤に・・・・


姫川明「作品制作日記」より)

である、とのことですので参考までに。

少女として描かれる主人公・ワタル

映画ブレイブ・ストーリーの主人公・ワタルが少女として描かれていると、牧波さんは思います。
より正確に言えば、少女像・ヒロインをイメージして書かれているのではないかと。


ちなみにここで言うヒロインは、男性向け作品で出てくるような「守られる=ダメ=姫なヒロイン」ではなく。
セーラームーンなど(うわぁ歳がバレちまう)の「変身(パワーアップ)して、自らが戦うヒロイン」をイメージしていただけるとありがたい。

ワタルと父親との奇妙な関係

映画しか観ていないので自信が無いのですが。
ワタルと父親の関係というものが、牧波さんにはどうもおかしく感じます。


ワタルが父親から(母親との)離婚を告げられたとき、ワタルは非常に驚いていました。
つまりワタルはそのときまで、父親が離婚しようとしていたことに感づいていなかったことになります。
もっとはっきり言ってしまえば、ワタルは父親が悩みを抱えていたことに気付いていなかった、ということです。
親子の関係としては、ちょっとおかしいのではないかと。


さらに不思議に感じたのは、ワタルが父親に対して「無関心」ではなかった、ということでした。
子が親に無関心なのであれば、子が親の悩みに気付かないのは当然でしょう。
しかし、ワタルは父親という存在に無関心なわけではありませんでした。
実際にワタルは父親自身に離婚を止めてもらえるよう必死で説得し、離婚を止める願いをかなえるために危険な旅にも出ているのですから。


ワタルは父親に関して無関心なわけではない。むしろ父親を大切に思っている。
しかし、ワタルと父親は悩みを共有(する以前の問題)する間柄でもない。


これって恋愛に似ていませんか。片思いの。
親子の関係を作れなかった……というより、回想の写真などを見ると壊れてしまった親子関係の結果、ワタルは父親に対して恋愛感情を持ったのだと思います。

そして初恋の父親との離別

ワタルがエプロンをつけてオムレツを焼くという 男性ファン垂涎の エピローグを見る限り、ワタルは父親に対する感情には何らかのかたちで落ち着くことができたのでしょう。


ただ、父親への感情はワタル自身が旅の中で一貫して持ち続けていた「自分勝手な願いで他人を不幸にしたくない」気持ちでは決別できないでしょうから、
やはりここは旅を通じて親密になれた「ミツルとの関係」の影響が大きいのでしょうね。


ワタルにとってミツルとの関係は(一方通行的な父親との関係とは違って)互いに喜怒哀楽を共有しあえるものなのではないかと、牧波さんは思います。
ミツルと「信頼のある関係」を築けた事によって、ワタル自身は父親に対する「依存」を打ち消すことができたのでしょう。


牧波昆布郎はワタルの新しい恋を応援します!

まとめ

誰か父親×ワタルの同人を紹介してくださ(ry

*1:主人公

*2:転校してきた同級生

*3:引用者註:姫川氏が記したマンガ版のことを指している