第57条「決着」感想(ジャビン10号収録)追々々記:「面倒見ねーとなんねェアホ」は誰を指した言葉か、についての個人的まとめ

以下、ネタばれ注意


「アホ」とは誰を指した言葉なのか。片や「円(&黒鳥)だ」とする説、片や「草野だ」とする説……。これはムヒョロジ57条における、ムヒョ関連のカップリングを賭けた戦いであり、どちらかのカプに妄想する以上は、避けては通れない問題である。牧波さんは以前の感想で、以下のように主張した。

1、ムヒョの「面倒見なきゃならん奴」ってエンチューとリオのことだったんだ…ロージーかとばかり思ってましたorz
2、でも逆に考えれば、ムヒョはロージーのことを対等の相手として見ているってことかな…
3、個人的にはロージーの方が嬉しいな。 「ロージーのために死ねない=ムヒョも草野の事を思っていた」という解釈ができるから

しかし今思えば、この(3)の解釈は*1間違いでした。先日こんぶブックマークでもご紹介した、another common round of lifeのえりさんの記事を見てください。

ムヒョの今回の「面倒みなきゃなんねーアホ」って、
感想見ると草野説と円説がありますが、私は円説だと思います。
わざわざ彼を突き放して一人前の自覚を持たそうとしたのに
まだロージーの面倒を見る気マンマンな事が考えられないわけです。
面倒みなきゃなんねーアホはエンチュー。
同格のパートナーはロージー…の予定というかつもりなんだよ。

えりさんの主張も、私の考察と同じように「円→面倒みなきゃなんねーアホ」「草野→パートナー」です。
ただ付け加えるなら、えりさんの記事の「パートナー」が意味するのは「同格のパートナー」であるとのこと。

試練をクリアしたらロージーはきっと一人前になってるだろうと
ムヒョはきっと確信してるんだよ。できなかったらそれまでだったけど
クリアしちゃったんで試練突破。
よかったなロージー。無事にパートナーと認められる展開で。
同格だぞ同格。

えりさんの記事を読んで、ようやく牧波さんの心の中にあったモヤモヤ感が消えてくれました。以下、長々と語っていきます。


ムヒョにとって、ロージーはずっと前から「同格のパートナー」だったという事実

コミックスを読み返していくと、ムヒョがロージーを「同格のパートナー」として扱っているシーンを見つけることができます。ちょっとだけですが。

  • 円の放った怨霊に囲まれたシーンにて、「あのバカ 肝心な時に…!!」*2
  • いかれ庭師との戦いのシーンにて、「オイッ 霊化防壁で援護しろ!!」「オイ… ロージー テメェ…」*3

本当に2つだけなので、決め付けになってしまうのですが……(汗)
上記のシーンを見ていくと、ムヒョはロージーの「能力のレベル」を認識した上で「ロージーの力量で可能であろう援護」を求めている、と考えることができると思います。
能力のレベルこそは違えども、ムヒョにとってロージーは「面倒を見る相手」ではなく、「同じ地に足を揃えて*4」戦う相手だったのではないでしょうか。
こう考えてみると、例のムヒョのセリフが持つ意味も、違う意味に捉えることができると考えられます。


ムヒョリンガルで解読する「ヒッヒ 残念だったな こっちにゃ面倒見ねーとなんねェアホがいるんでな…*5」の意味

牧波さんは今まで、上記のセリフが持つ意味は、ただ単に「アホの面倒を見に行かなくてはならないから、(アホのために)がんばった」として捉えていました。
しかしよく考えてみれば、以前ムヒョは、ロージーにこんなことを言っているのです。

  • 「くたばんねェように しっかりついてこい」*6

ムヒョがロージーを「同格のパートナー」として扱っているのであれば、ロージーもまた「アホの面倒を見る」相手です。ムヒョはその相手に「しっかりついてこい」と約束しています。
つまり「アホの面倒を見る」という言葉には、字面どおりの意味ばかりでなく、「ロージーと交わした約束」である、という意味がこめられていると考えることができます。


つまり上記から言える事は、ムヒョの行動のほとんどには、ロージーへの「信頼*7」が込められているのではないか、ということです。

*1:牧波さんの脳内における

*2:13条「誇り」p.13

*3:23条「いかれ庭師」p.7-8

*4:56条「信頼」p.13参照

*5:57条「決着」p.5参照

*6:14条「となり」p.14

*7:参照:http://d.hatena.ne.jp/ennpitu/20060201/p1さんの<今週のあらすじ>