第58条「ありのまま」感想(ジャビン11号収録):絶望した!今週号のジャンプの表紙に絶望した!

朝一番のコンビニでがく然。ちょっ!!お前 いったい何の為に早起きしたと…!!
すごいショックで、もうコメント出来ないですorz


ネウロは今週の話にもデジャヴを感じてしまいました(先週の続きなんだから当たり前か)。ひねくれ系の相棒を持つと、パートナーのヒロインさんは大変だ、というのはどこも同じみたいですね。
次の赤マルで、3巻のおまけの「魔人相談事務所」みたいなコラボしてくれないかなぁ。桂木と草野が、旦那についての悩みや愚痴を吐き出し合うところを見てみたいです(笑)*1


さて、そろそろ本編への感想に入りましょうか。
というわけで以下、ネタバレです。



ねえ ムヒョ



人は失って初めて その大切さに気づくって言うけど
本当の意味で気づくのはいつも
再び向き合えた時だった気がするな



もし今ムヒョにもう一度会えたら
僕はきっとまた泣いてしまう



それでも今度こそ
君のとなりに並んで戦うって 決めたから


今週は扉に違和を感じるなぁーと思ったら、タイトルがいつものロゴとちがうんですね。ちょっとシックで特別な感じだなー……と思ってたら、内容はもっと特別だった(笑)。


私は正直な話、西義之先生がここまでムヒョとロージーの関係を深く描写してくれるとは思っていませんでした。むしろ逆に、「実はムヒョはロージーのことなんて、あんまり興味ないんじゃないだろうか」と不安になっていたくらいでした。
昨日書いた「面倒見ね―となんねェアホ」は誰を指した言葉か、についての個人的まとめのエントリなど、不安が次回*2の内容で的中しても卒倒しないように……とかけていた保険だったりします。今週号を読み始めるまでが既にホラー漫画でした。


でも、そんな不安も、一回軽く流し読みしただけで消え去ってしまいました。西先生は私が考えているよりも、もっともっと深い「信頼」でムヒョとロージーを繋いでいらっしゃるようです。


才能でも、力量でも、潜在能力でも、素質でも、向けられた想いでもなく

今回のペイジのモノローグによって、ムヒョがロージーをパートナーに選んだ理由が明らかにされました。ムヒョがロージーをパートナーに選んだ理由は

  • 魔封じのペンを早い段階で使いこなした才能でもなく
  • 紙吹雪の怨霊を6体同時に魔縛りした力量でもなく
  • ソフィーを一瞬のあいだ無力化させた潜在能力でもなく
  • ブイヨセンに止めを刺した時の、煉を増幅させた素質でもなく
  • 50円で素敵な料理を作る節約力でもなく
  • 家事作業をそつなくこなす家庭的性格でもなく
  • 変装のため(?)のハリボテにおける奇抜さでもなく
  • 某芸能人よろしく、多くの男性ファンを虜にする可愛さでもなく

……って、後半になるにつれ変になってますorz;あれれれれ(棒読み)。
まぁ、つまり上記のような「役に立つ」という理由ではなく、ロージーが「曲がらぬ優しき心」という「強さ」をもっていたからだ、ということでした。
この理由からは驚くべきことに、

  • ロージーが自分に好意を持ってくれているから

という理由の候補も除外されることになります。これにはちょっとビックリしました。牧波さんはずっと、「ムヒョがロージーとパートナーでいる理由」には、「ムヒョ自身に好意を持ってくれているから」という要素が重要であると 空想して 考えていました。
しかし、ムヒョがロージーを選んだ理由が「曲がらぬ優しき心」という「強さ」だとすると、ムヒョが選んだものは「ロージーの人格そのもの」だということになります。端的に言い換えれば、ムヒョはロージーの事を尊敬していた……とは言い過ぎになりますが、ロージーを「強い*3」と高く評価していた、ということになると思います。


思い返してみれば、ムヒョがロージーの一級書記官検定受験を許可したのは、ロージーが自らの過ちに気づいて「もっと立派になって 魔法律で人を救いたい」という決意をしてからでしたし*4
ムヒョが本当に求めていたのは、「曲がらぬ優しき心」という「強さ」だ、というペイジさんの考えは、かなり的を射ている気がします。


パートナーに大切なこと

今回、ロージーは悩み抜いた末に、パートナーとして一番大切なことは「気持ちを一つにすること」である、という結論を出しました。そして同時に「力も必要だけれど、それでも一番ではない」という結論を出しました。
さて、「気持ちを一つにすること」とありますが。これは「力」とはちがったプロセスを踏んでいかなくてはいけません。「力」はひとりだけでも得ることができますが、「気持ちを一つにする」のはひとりだけでは絶対に出来ないからです。
「気持ちを一つにする」ためには、相手の気持ちを知らなくてはなりません。そして同時に、自分の気持ちを相手に伝えなくてはなりません。つまり、自分の思い込みや勘違いだけでは、絶対に「気持ちを一つにする」ことはできないのです。


では相手の気持ちを知り、自分の気持ちを相手に伝えるためにはどうすればよいのでしょうか。多くの人がその方法をして挙げるのは「コミュニケーション」です。カタカナ語というのは曖昧な意味になりがちですけど、要は「相手の気持ちを知ろうとすること&自分の気持ちを相手に伝えようとすること」ですね。口で言うほど簡単じゃないですし、私自身できていないんですけど(笑)。
さっきの話に戻りますけど、「コミュニケーション」に「力」は必要ありません。どれだけすごい「力」を持っていても、自分よがりな行動や考え方しかできなければ「コミュニケーション」は絶対に成立しませんし。逆にどんなに小さな「力」しか持っていなくても、意欲さえあれば「コミュニケーション」が成立する可能性は十分にあり得ます。


一番分かりやすい例はセックスでしょうか。一人でする自慰行為とはちがって、セックスにはパートナー=相手がいることが前提となります。相手がいるということは、セックスにも「コミュニケーション」が必要不可欠となります。
男性同士のセックスの話題には、よく「男性器は大きい方がいい」「ちょっとくらい強引で激しい方がいい」「テクニックはすごい方がいい」なんて話がよく出てきます。もしかしたら今この文章を読んでくださっている人の中にも、そう思っている人がいるかもしれません。
もしあなたが上記のようなことを考えているのであれば、一歩引いてみて「相手はそれを望んでいるのか?」と考えてみてください。というかぶっちゃけた話、相手と「コミュニケーション」をとってみてください。
もしかしたら上記の「〜の方がいい」という条件は、相手がパートナーである<あなた>に求めている「強さ」ではないかもしれません。ほとんど重要視していない「力」かもしれません。それどころか、相手が不快に思っている「履き違えた強さ」かもしれません。これは、相手と「コミュニケーション」をとらない限り、絶対にわからないことです。
逆にいえば、何を差し置いても「コミュニケーションをした方がいい」ということです。男性器を大きくするより、強引に相手を組み敷くより、テクニックを身につけるよりも難しいことですが、一番確実な方法です。
ほら、今回ロージーだって、「胸の大きさは必要ないとでも?」というペイジの問いかけに「一番じゃないと思います」って答えているじゃないですか*5


と、言うわけで。パートナーとして一番大切なことは「気持ちを一つにすること」ですから、ぜひ様々な場面で「相手の気持ちを知ろうとすること&自分の気持ちを相手に伝えようとすること」を努力してみてください。一夕一朝で出来るものではありませんが、これなしに「信頼」関係は築けません。


ムヒョとロージーのように、素敵な「信頼」関係を築いていきましょう♪

*1:もちろんお約束として、最終的には彼氏自慢対決になるのも忘れずに。

*2:ややこしいのですが、先週における次回、つまり今週号のことです;

*3:曲がらぬ優しき心をもっている

*4:第9条「ロージーのペン」p.21

*5:んなこと言ってません