第71条「出発」感想(ジャビン25号収録):魔の10日間事件が発生した本当の理由とは
今日、仕事の帰りに美容院で「今井カット」を施してもらってきました。黒髪におかっぱ。仕事疲れ(まだ月曜なのに)で眠り込んでいた牧波さんは仕上がりを見て開いた口が塞がらない。店員さんも「すごいイメチェンですね〜。もしかしたら周りの人は(牧波さんだと)気付かないかもしれないですね〜」とあたたかくコメントしてくれましたよゲヘへへへorz
そんなビター&シィットな気分で、今週号の感想はいりますー。ネタバレ注意!
……っと!忘れてた忘れてた。単行本6巻の表紙イラストが出たそうですー♪
http://books.shueisha.co.jp/search/book_image/4-08-874112-9.jpg
今回のサブタイトルは3文字ですね。文字の形から見ると「目覚め」なのかな?
何が解決して、何が解決していないのか
先週の疑問が、遂に明らかにされました。
そういえばvsトーマス編の「きっかけ」は、五嶺家総本山が「禁魔法律家共の手で焼き討ちに逢うた*1」上に、五嶺頭首が「トーマスという禁魔法律家に連れ去られた*2」からでした。トーマスに挑んだ時点では、ロージーは「トーマス=箱舟の一員」であることを知らされていなかったんですね。横浜校外とある倉庫に向かう車の中で、ヨイチがロージーに話したトーマスの素性も「数多くの罪に問われている指名手配中の*3」禁魔法律家である、という情報だけでしたし。(ロージーが箱舟を認識したのは第67条「完全なるもの」においてでした)
だからロージーは「トーマスとの決着=とりあえずvs箱舟(禁書やら円やら黒鳥の問題など)のステップ1クリア」ではなく、「トーマスとの決着=トーマスに関わる事柄すべてとの決着」と考えてしまったんですね。なるほどー、ってわかりにくいわ!(笑)
遂に明かされた「禁書」の意味
以前に書いた考察がかるく当たっているようなので、転載しときますね。
第33条「賭け」・第34条「対峙」感想:私の中にある「みんな」、あなたの中にある「みんな」:
黒鳥の選択と
それでも黒鳥が選んだのは、我孫子ではなく禁魔法律でした。結局理由は明らかにされませんでしたので、勝手にいくつか考えてみたいと思います。
- もう禁魔法律家から戻れないよ派
- 禁魔法律の契約が解消できるなんて信じられないよ派
- 自分が抜けたら、円やティキはきっと安孫子たちに危害を加えるよ派
- 自分には禁魔法律が必要だよ派
- まだ殺さなければならない魔法律家がいるよ派
- ていうか魔法律協会を潰すつもりだよ派*4
- 実は禁魔法律には期待していることがあるよ派
牧波さん的には、一番最後だと思っています。そういえば、黒鳥が何を目的に円の仲間になったのかも明かされてませんよね(原因は明かされましたけれど)。
第65条「蠅王の鎧」感想:「禁書」とは何か──解かれゆくのは謎の数々か、それとも:
「禁書」とは何か──リオの眼差しが意味するもの
先週の感想で書き忘れていましたー。
これまでに登場した「禁書」の情報をいくとか集めますと、以下のようになります。
- 永遠の生と復活を約束スル 禁魔法律の奥義が手に入る*5
- 協会だけでなく 人という人を巻き込もうというわけか*6
- なぜ禁魔法律なんぞに染まった 追放では済まされんぞ!!──不死の力さ!!(後略)──フン禁書を奪う気か…! 浅はかな…!!*7
上記から、禁書によって得られる「禁魔法律の奥義」とは
- 命に与えられた時間を永遠のものにし
- 生を失った命をもふたたび甦らせる
- 代価には多くの人間の“なにか”を必要とする
という性質を持つと考えます。
なぜ、リオは我孫子ではなく禁魔法律を選んだのか……。第33条「賭け」・第34条「対峙」感想のエントリでも、牧波さんは色々と考えていましたが。
上記や、「禁書」の解析も自分の意志で行っている様子から考察すると、「実は禁魔法律には期待していることがあるよ派」が一番妥当でしょうか。ママを甦らせたいのかな……。
第67条「完全なるもの」感想:ムヒョがあの人を救おうとする理由
不完全な人間社会――オール・オア・ナッシング
「光が平等に全部の葉に行き渡る様にできてるんだって――*8」植物の葉の並び方を「完全」であると言った様子から、(少なくと当時の)円が「不完全」と考えていた人間社会を推察することができます。
まぁ、そんな前置きを置かなくても。円の考えが「光が平等に行き渡らない、バラバラな人間社会=不完全」だということは本編を読めば解りますよね。そしておそらくは、円自身が「自分(や自分の親しい人)は光を遮られている存在だ」と感じていたということも……。
こうやって考えますと。円やトーマス(そしておそらくはティキも)が、禁書を用いて「協会だけでなく 人という人を巻きこもうと*9」している理由もだんだんと見えてきます。彼らの狙いのひとつには、「不完全」な人間社会を消そうとする思いがあるのでしょう。
そしてその思いは、円と黒鳥を隔てる、唯一にして最大の境界線なのでしょう。第59条「蠢動」p.16にて、黒鳥が円に向けた哀れみの視線は、この境界線から生じているのだと思います。禁書に望んでいるであろう円と黒鳥の思いの差異(円は六氷を破滅させるため、黒鳥は母親を甦らせるためだと、牧波さんは考えています)は、皮肉にも禁魔法律の染まり具合にも現れています。
ムヒョがロージーに「期限無しの休暇をくれて*10」やった本当の理由とは
「オイ オメェはここに残っていい
元々巻き込んだ形だしな こっからは強制はしねェ」
「イヤだ」
〔……〕
「それに 魔法律は人を救うもの
僕だって魔法律家のはしくれなんだ!! でしょっ!?」
「フンッ 口だけ達者になりやがって…!」*11
今週のムヒョロジハイライトをお送りしました(どうみてもバカップルの会話にしか聞こえないのですが)。
それにしてもロージー、変わりましたねぇ。以前、リオの禁魔法律契約を白紙に戻そうとしていたときには
――怖いよ ムヒョ…
使者に手をかけるなんて 魔法律家の仕事から遠ざかっているのに
もし―― 今回の事で もし
ムヒョが死んだりしたら 僕――*12
って(心の中で)言っていたのに。
おそらく当時(〜vs赤川団地の霊編)のロージーのままだったら、ムヒョの今回の問いかけに対して、別の意味で「イヤだ」と答えていた事でしょう。あのままのロージーだったらきっと、ムヒョを危険な場へと赴かせないように駄々をこねていたに違いありません。
こう考えると、第45条「別離」にて、ムヒョがロージーを冷たく突き放した(?)理由がなんとなく見えてきます。おそらくはこの――円の居場所が判明した――時のために、ムヒョはロージーを(今井裁判官による厳重な保護の下へと)放り出した(?)のでしょう。その結果、ようやくムヒョとロージーは「一緒に皆を助けに行く*13」という「気持ちを一つに*14」して「並んで戦う*15」「パートナー*16」になったんですよね。
今回のロージーによるエンチューへの台詞は、ムヒョが狙っていたこの流れの集大成なのでしょう。牧波さん的には一部気に入らない部分もありますが、とりあえずおめでとう!
誰が「死人」となるのか
今回、「間違い無くこっちに死人が出る*17」とムヒョが断言しました。牧波さんはムヒョロジという作品で、主人公側に死人が出ることはないだろうと思っているのですが。出てきた以上、ちょこっと考察してみることにします。
とりあえずこれまでにブログや2ちゃんねるでみたことのある予想は以下の通りです。
ここであえて、牧波さんは「死ぬのはムヒョだよ」説を推したい。「才能に嫉妬する気持ちは分かるし 憎んじゃうのも 少し分かる*19」といったロージーが、ムヒョを失った時に何を思うのか。そのとき他人から「あなたの気持ちもわかるよ」と軽々しく言われたらどう思うのか。
……ごめん嘘。ただちょっと愚痴ってみただけです。
総評
ついに公式で描かれたケン→ロジが最高でした……!やっぱりアレですか。好きな子には「モヤシ」とかいって意地悪しちゃうのが小学生男子の正しい姿なんですか。ていうか何ですかこの「オレはお前のことが好きだけど、お前の幸せを一番に願うから身を引くんだぜ」な展開は。最高じゃないですか。
牧波さんは年上のお姉さんにあこがれる小学生・佐藤健二くんの初恋を応援しています!
*1:第59条「蠢動」p.18
*2:第60条「トーマスという男」p.16
*3:第60条「トーマスという男」p.18
*4:「ムヒョを置いていけばオマエ達の事は助けてあげる…!!」(第31条「決意」)のセリフがあることから、この線は薄い?
*5:第59条「蠢動」p.15
*6:第63条 「嵐の前」p.18
*7:第64条 「コレクション・コンプリート」p.11
*8:第67条「完全なるもの」p.18
*9:第63条「嵐の前」p.20
*10:第45条「別離」p.10
*11:第71条「出発」p.16-18
*12:第33条「賭け」p.17
*13:第58条「ありのまま」p.9
*14:第58条「ありのまま」p.9
*15:第58条「ありのまま」p.18
*16:第58条「ありのまま」p.8
*17:第71条「出発」p.16
*18:第57条「決着」p.16
*19:第71条「出発」p.17